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白地葵紋紫腰替辻が花染小袖

しろじあおいもんむらさきこしがわりつじがはなぞめこそで

概要

白地葵紋紫腰替辻が花染小袖

しろじあおいもんむらさきこしがわりつじがはなぞめこそで

工芸品 / 安土・桃山 / 中部 / 愛知県

愛知県

桃山/1501-1600

袷仕立ての小袖の作品である。表は白練貫、裏は濃茶平絹(後補、もとは濃茶地海気)とする。形状は袖幅が狭く、身幅が広い。袖の下端から腰の部分を直線で区切って紫の絞り染めとする。両胸、両後袖、背中の五か所と、さらに背縫の裾、両衽裾の三か所の合計八か所に三つ葉葵紋を置く。葵紋はすべて縫い締め絞りで、外輪を浅葱、その内側を紫、葉を萌黄とする。葉脈や葉の上の露は白抜きとする。

身丈140.5 裄54.2 前幅35.5 後幅35.0 袖丈48.4 袖幅19.2
袖口19.5 衽幅23.0 衽下り12.6 襟幅14.0 立褄35.2(㎝)

1領

徳川美術館 愛知県名古屋市東区徳川町1017

重文指定年月日:20030529
国宝指定年月日:
登録年月日:

公益財団法人徳川黎明会

国宝・重要文化財(美術品)

葵紋をすべて縫い締めの絞り染めで表したいわゆる辻が花染の小袖である。本小袖が伝来した佐枝家の文書によれば、慶長四年(一五九九)三月に徳川家康(一五四二~一六一六)より佐枝種長が拝領したと伝える。
 本作品は、表地には後補が見られず当初の姿をよく伝えた辻が花染小袖の遺例である。徳川家康に関わる現存する小袖のうち、最も年代が遡るものであり、また葵紋の配置法など桃山時代から江戸時代に至る小袖の変遷を知るうえにきわめて貴重な作品である。なお、本小袖は尾張・佐枝家に伝来し、徳川美術館には尾張の稲垣家より寄贈されたものである。

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