二彩獅子 長次郎作
にさいしし ちょうじろうさく
作品概要
桃山時代ならではの躍動感に溢れた樂焼の獅子像である。近年に詳細な調査が実施され、中国南部の華南三彩の技法を取り入れた白化粧次に緑釉と白釉(透明釉)が施された二彩であることが確認された。また童子に腹部の銘文「天正二年春依命長次良造之」は製作当初のものであることが改めて確認された。鉄分の多い赤土の胎土や透明釉は初期の長次郎の作品と同一のものとされており、これにより銘文も長次郎によるものと考えられる。
本獅子像は、長次郎による樂焼きの成立時期を確定するのみならず、京焼の成立を考える上でも学術的に極めて重要な資料である。