沈金箱「幽玄」 ちんきんばこ「ゆうげん」

漆工 / 昭和以降 / 日本 

前史雄 (1940~)
まえ ふみお
平成22/2010
木製漆塗、沈金(プラチナ、松煙、カーボン)
高15.0 25.0×25.0
1合
文化庁分室(東京都台東区上野公園13-9)
平成21年度収蔵
国(文化庁)

 沈金は、漆芸の装飾技法の一つで、漆地を沈金ノミ(沈金刀)で彫り、彫溝に漆を擦り込んで金粉や金箔を入れ、文様を表す技法である。中国で宋代から行われていた技法で、室町時代には我が国でも始められたと考えられる。
 雪を被った竹林が陽光を浴びながら微風にそよぎ、その傍らを小川が流れる冬の風景を沈金で描いた作品である。沈金の技法は、線彫、点彫、コスリ彫のほか、作者が考案した角ノミによる「一刀彫」の4種。粉入れの工程では、プラチナ粉を全体に入れた後、松煙、カーボンを重ね、さらに部分的にプラチナ粉を加え、全体の調子を整えて仕上げている。角を大きく丸めた印籠被蓋造の箱の木地は、桐材の厚板で作られた指物の箱から、刳物の手法で薄く削り出されたものである。
 平成21年度文化庁工芸技術記録映画「沈金-前史雄のわざ-」の対象作品である。

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