銅鷲置物〈鈴木長吉作/〉
どうわしおきもの〈すずきちょうきちさく〉
作品概要
この鷲の置物は、鈴木長吉(一八四八-一九一九)が米国シカゴ・コロンブス世界博覧会(明治二十六年五月一日-十月三十日)の日本側博覧会事務局の依頼で製作したもので、博覧会の美術館に出品された受賞作(『官報』第三二三七号、明治二十七年四月十八日)である。会期終了後は「鋳銅鷲ノ置物」の名称で博覧会事務局から帝室博物館(現、東京国立博物館)へ引き継がれた。
本品は、鈴木長吉自身が本業とする蝋型鋳造の技術を存分に駆使して製作されたもので、明治二十九年(一八九六)宮内省より帝室技芸員に任命された長吉の代表作。江戸時代に育まれた高度な技術を継承し、国の内外で評価を受けた明治金工の優品である。