東寺観智院伝来文書典籍類
とうじかんちいんでんらいもんじょてんせきるい
概要
もと東寺観智院の金剛蔵に伝来した文書・典籍類である。この中には、空海人寂後、その弟子実恵と、唐の青龍寺義明との交流を示した開成四年(八三九)の唐青龍寺音信案(鎌倉時代中期写)を始めとして、東寺の歴史を伝えた文書、記録等がまとまっており、なかには弘安十年八月の叡尊置文案のように叡尊の舎利信仰を伝えた珍しい文書があり、差図にも学術的価値の高い史料が含まれている。また典籍類は寺記、縁起、記録の類が多く、醍醐山寺院本仏記、仁和寺仁王会記、東大寺別当次第、宇治関白高野山御参詣記などが注目されている。これらの文書、典籍は一時百合文書の内に併納されていたが、近時行われた京都府立綜合資料館の整理によって、その存在が明らかにされたものである。