海磯鏡〈(天平八年二月廿二日光明皇后施入)/(法隆寺献納〉
かいききょう〈(てんぴょうはちねんにがつにじゅうににちこうみょうこうごうせにゅう)/ほうりゅうじけんのう〉
概要
明治11年法隆寺から皇室に献納された宝物類(法隆寺献納御物の名で親しまれ、正倉院の宝物と並び称されている)の中に含まれているものである。
海磯鏡(かいききよう)は、意匠技法ともにすぐれた唐時代の白銅製の大鏡である。鏡背の文様は二面ともほぼ同じで、円鈕(えんちゆう)をめぐって海中にそびえたつ四岳、波間の水禽、漁舟人物、草樹の間の人物鳥獣などを鋳出している。法隆寺伽藍縁起〓流記資財帳に「天平八年二月廿二日納賜平城宮皇后宮者」とあり、光明皇后が聖徳太子の命日にあたる二月二十二日に施入されたものである。