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経筒(伝北九州出土)

きょうづつ(でんきたきゅうしゅうしゅつど)

概要

経筒(伝北九州出土)

きょうづつ(でんきたきゅうしゅうしゅつど)

考古資料 / 奈良県

平安時代 12世紀

銅製 鋳造 鍍金 ガラス製(宝珠) 火焔宝珠紐 傘蓋 八角宝幢形

総高41.5 筒身幅15.0

1口

伝北九州出土

 銅板製で鍍金の施された大ぶりの八角宝幢形経筒で、蓋、筒身、蓮華座からなる。蓋は甲盛りのある被せ蓋式傘蓋で、蓮台付火焔宝珠鈕をいただき、蓋の周縁を八花形にかたどる。宝珠は緑瑠璃製の小壺で、その蓋は球形の空球(うつろだま)に宝珠鈕を付し、肩には突帯をめぐらせて蓋がかりとしている。身は偏平な球形で、中国宋から請来された舎利容器と考えられる。筒身部は八角形で、各面の上半部には、「妙法蓮華経巻一」から「巻八」までの巻題を、下半部には妙法経を宝塔の中に安置し、弥勒出世の際に衆生を引導することを願い、続けて自他の利益、極楽往生も祈念する仏子慈印の願文を籠字(かごじ)で刻している。
 経筒を宝塔とみなし、弥勒の出生を期して如法経を納置することを記しており、また瑠璃製の舎利容器を経筒の上に奉安する例は、この他には知られず、極めて貴重な資料である。

奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.283, no.24.

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キーワード

/ / 宝珠 /

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