釈迦如来・阿難像 しゃかにょらい・あなんぞう

絵画 / 鎌倉 / 日本 

日本
鎌倉時代
絹本着色
縦108.8㎝ 横62.1㎝
一幅
東京都港区南青山6-5-1
根津美術館
重要文化財

本図は画面の上下に賛文帯を画し、その中段に清涼寺式の釈迦如来と、随侍する阿難尊者に想定される僧形の一人物が、雲に乗って来迎する様子をあらわした異色の画像である。釈迦如来は蓮華座上に、右手施無畏印、左手与願印の姿で立ち、渦巻き状の頭髪に、襞を重ねた清涼寺像特有の赤衣を通肩に纏い、衣には唐草地文の上に団花文を散らす。光背も同じく清涼寺式のそれで、円光、身光をめぐって化仏を表出した透かし彫り唐草文の挙身光が付され、頭上には銀泥による唐草文の天蓋がかかる。如来の肉身は現在赤褐色を呈するが、明らかに補彩と認められる。釈迦如来の右傍には阿難に擬せられる白面の比丘が侍立し、七宝文を地文とする袈裟をつけ、右肩に唐草文のある赤衣をかけ、左手に梵筐を捧げており、二尊の足下には白地に銀泥の隈をとった来迎雲があらわされる。
天蓋の間に金泥で記された梵字は剥落するが、賛文帯上段には『法華経』方便品と寿量品の偈五言四句を抄出し、下段には出典不明の偈文七言四句をそれぞれしたためる。これら区画にはさらに「宝筐印陀羅尼」「阿弥陀大呪」「同小呪」「光明真言」「尊勝陀羅尼」などを金泥梵字で記すほか、上段下段には諸尊名に加え「承元三年(1209)六月廿九日書之」と墨書し、これらの字句は後の書き入れながら、本図の成立もその様式からみて、承元三年よりさして遡らない頃と推量される。いずれにせよ、清涼寺式釈迦如来を主題とした本図のような仏画は他に類例がなく、鎌倉初頭における釈迦信仰を背景に、おそらくは南都仏教復興の過程で成立したものであろうことが予想される。

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