黒漆塗隅切葵下り藤散蒔絵駕籠、ビロード張下り藤紋入駕籠〈西条藩松平家伝来〉
くろうるしぬりすみきりあおいさがりふじまきえかご、びろーどばりさがりふじもんいりかご(さいじょうはんまつだいらけでんらい)
概要
黒漆塗隅切葵下り藤紋散蒔絵駕籠は、西条藩松平家の家紋である隅切り葵と京都の公家一条家の家紋一条下がり藤が金の蒔絵で散らされている。両家の家紋を散らすデザインが雛飾りの雛道具と同じであることから、一条通子が文政7(1824)年に西条藩松平家に嫁いだ際に、雛飾りとともに持参した婚礼調度の一つと考えられる。通子は明治2(1869)年から5(1872)年に西条に滞在しているが、西条に離れるにあたり西條神社に奉納されたものと考えられる。ビロード張下り藤紋入駕籠は、全体に黒のビロードで覆われた駕籠である。ビロードは小藩の大名などの駕籠によく用いられたという。金具などに一条下がり藤の家紋が入っていることから、本資料も一条通子が使用したものであることが分かる。
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愛媛県歴史文化博物館