女房三十六人歌合
にょうぼうさんじゅうろくにんうたあわせ
概要
女房三十六人歌合
にょうぼうさんじゅうろくにんうたあわせ
すみよしひろずみ(ぐけい) たかつかさふさすけ
江戸時代前期
紙本着色墨書
縦38.4cm 横8.2cm
1帖
佐賀県佐賀市松原2丁目5-22
公益財団法人鍋島報效会
小野小町以下、平安・鎌倉期の女性36人の和歌を書して歌合とした短冊帖。各葉に極めて細密に描かれた女房の姿も見どころ。付属する筆者目録により、画は江戸時代前期の絵師住吉広純(具慶)、書は鷹司摂政・九条右大臣をはじめとする36名の手になることが分かる。
本資料は、侯爵鍋島家(旧佐賀藩主家)に伝来した。その契機について、付属の「侯爵御奥様(鍋島栄子)」宛て加藤義清書簡には、「画帖を見あたり候につき御歌所に持参候処、同僚の人々いづれもよだれを流し(女房のためにはあらず)」たほどで、「千葉とよぶ今業平には、永田町の御殿にふさはしき品なれば是非とも」として、永田町鍋島邸にもたらされた経緯が記されている。宮内省御歌所関係者の眼から見ても垂涎の品となったが、鍋島家への伝来の蔭には佐賀出身で鍋島家と縁故のあった千葉胤明(ちば・たねあき)による推薦があったという。