紺紙金銀字千手千眼陀羅尼経 附 経箱 1合
こんしきんぎんじせんじゅせんげんだらにきょう つけたり きょうばこ いちごう
概要
紺紙金銀交書経で、銀泥で界線を施し、経文を金銀泥1行17字で書写する。見返しには金銀泥で釈迦説法図を描く。附の経箱は、外箱一合と、内箱2個からなり、外箱は「紺紙金字妙法蓮華経」8巻(津市指定文化財)と共用。外箱の底には「法華経 全部」「千手陀羅尼 一軸」の記名の上、「宝暦二壬申年中(中略)開帳水鏡天神之砌修補之畢 勢州津国府 六大院現住長弁上人」の墨書があり、本経が、妙法蓮華経とともに宝暦二年以前に六大院(大宝院)の所蔵となっていたこと、宝暦二年に修理されたことがわかる。現在の表紙はこの補修時のものと思われるが、外題の題簽は、原装の表紙から切り取って貼ったものである可能性がある。また、見返し絵の両脇及び経典巻首の1行分が補修時に切り取られているが、補修時の後補表紙を除いては本紙・見返し・書軸共によく原装をとどめている。