切子銅紅被せガラス鉢(薩摩系) きりこどうあかきせがらすはち(さつまけい)

ガラス / 明治 

宮垣秀次郎か/日本製
明治時代前期/19世紀後期
鉛ガラス
高5.0 径17.5 比重3.59
1口


来歴:1997神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館『神戸市立博物館所蔵 阿蘭陀絵伊万里とびいどろ・ぎやまん展―江戸のオランダ趣味―』(福山市立福山城博物館、1998)
・神戸市立博物館特別展『コレクションの精華』図録(2008)
・井上暁子「品川硝子の軌跡―「和吹き」から「舶来吹き」へ―」『品川歴史館紀要』第32号(2017)
・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録(2019)

見込みに菊文、側面には菱文と8弁の花文を切っている。側面には赤地には細かな魚子(ななこ)を刻んでいる。側面下部には長円形を切って連ねている。被せガラスとは、無色の素地に別の色素地を被せる技法。本器の場合、銅で紅色に発色する素地を無色素地に巻き取り、成形して、徐冷(じょれい)後に鉄棒や木の棒で切り込んでいる。日本製のカットグラスは文化・文政頃から大坂、江戸で始まった。この江戸後期から明治前期頃までの主として高鉛ガラスを切る日本製切子は、欧米のような車状工具の回転研磨によってではなく、水晶や玉を琢磨(たくま)するのに似た棒状工具を用いる往復研磨だった。大変な熟練と根気と時間を要する。本器の比重値は3.59と多くの鉛を含むガラスであり、薩摩切子の平均比重値3.5プラス・マイナス0.1の内にある。様式的には、東京国立博物館所蔵のもと薩摩切子の工匠であった宮垣秀次郎作の銅紅の鉢を想起させ、また意匠も薩摩製の基準作例より近代的な印象を与える。明治前期に東京に移動した薩摩切子の工匠の仕事ではないだろうか。

【びいどろ・ぎやまん・ガラス】

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