染付円形世界図皿
そめつけえんけいせかいずさら
概要
円の中心に日本図を、その周囲に「蝦夷」「松前」「朝鮮」「琉球国」とともに、架空の国である「小人国」「女コ国」を配しています。日本図皿の場合、日本図の周囲にはこの6つの国が配されることが定型化しています。型押しによって凹凸が施された日本図は、染付によって凹んだ部分に国境(くにざかい)が、凸部分に国名及び地名が記されます。
伊万里焼地図皿にみられる日本図は、「行基図」と呼ばれる簡略な形態で表わされることが多く確認されます。日本図と青海波文のみのシンプルな作例ですが、手書きながらも規則的に並んだ意匠は、当時の職人の技術の高さを示すものといえるでしょう。裏面高台内には染付銘「本朝天保年製」、及び五つの目跡が残ります。
【近世・近代の漆工・陶磁器・染織】【古地図】