佐賀県
江戸初期/1640年代頃
初期伊万里後半段階の三足皿で、褐色の銹釉・藍色の瑠璃釉・緑色の青磁釉に白色の透明釉・黄褐色の黄釉を加えた5種類もの異なる釉薬を組み合わせて多彩に表現し、一つの器の中にさ…
口径23.1cm、総高6.6cm、底径8.1cm
1枚
西松浦郡有田町戸杓乙3100番地1
佐賀県指定
指定年月日:20180413
有形文化財(美術工芸品)
5種類にも及ぶ釉薬の掛け分けを行う例は有田以外ではみられないことから、制作地は有田に限定され、その中でも山小屋窯である可能性が高い。
山小屋窯は、泉山磁石場に近い有田東部の内山地区の窯場で、生活・工房域である山小屋遺跡の発掘調査により1640年代から1650年代前半の短期間に稼働した実態が明らかになっている。出土した製品の大部分は染付であるが、鉄釉の皿が比較的多く、青磁釉、鉄釉、銹釉、瑠璃釉など複数の釉薬を掛け分けて装飾した中・小型の皿類など、有田の中でも多様な技法を用いた独特の製品を生産しており、口縁や文様帯を区切る隆線を縄状に作る本作品と同じ表現の作例も確認されている。