銹瑠璃青磁釉蓮鷺文輪花三足皿
さびるりせいじゆうはすさぎもんりんかみつあしざら
概要
5種類にも及ぶ釉薬の掛け分けを行う例は有田以外ではみられないことから、制作地は有田に限定され、その中でも山小屋窯である可能性が高い。
山小屋窯は、泉山磁石場に近い有田東部の内山地区の窯場で、生活・工房域である山小屋遺跡の発掘調査により1640年代から1650年代前半の短期間に稼働した実態が明らかになっている。出土した製品の大部分は染付であるが、鉄釉の皿が比較的多く、青磁釉、鉄釉、銹釉、瑠璃釉など複数の釉薬を掛け分けて装飾した中・小型の皿類など、有田の中でも多様な技法を用いた独特の製品を生産しており、口縁や文様帯を区切る隆線を縄状に作る本作品と同じ表現の作例も確認されている。