八王子神祈願図絵馬
はちおうじしんきがんずえま
概要
本絵馬は神戸地区の氏神である八雲神社本殿内に置かれていた。
八雲神社は山梨県神社庁のホームページによれば、須佐之男命を祭神としており、由緒沿革を「往古八王子権現と称す。金桜神社の前宮として神戸組に斎祀り牛頭天王を配す。社地東西十間南北三十間、社地中、松梅の大樹二株あり。囲共に壱丈余あり、御岳道にあり天明、文政年代より近郷近在より厚く崇められる。尚当社は北山筋三八王子の一に数へられる。」と説明している。
文化十一年(一八一四)成立の『甲斐国志』では、亀沢神主兼帯の中に「八王子権現」と出ている(『大日本地誌大系 甲斐国志』第三巻七九頁)。ちなみに、同書によればここから直線距離で約三㎞の猪狩村(甲府市猪狩町)に八王子権現があり、永禄七年(一五六四)三月再建の棟札があるという。
絵馬の裏面に「当所八王地御身躰」と墨書されており、八雲神社が本来八王子権現社であったことからして、絵馬は現在保有している当社に奉納されたものである。