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小袖 白綸子地流水松藤模様

こそで しろりんずじりゅうすいまつふじもよう

概要

小袖 白綸子地流水松藤模様

こそで しろりんずじりゅうすいまつふじもよう

染織 / 江戸

江戸時代・17~18世紀

綸子(絹)、刺繡、絞り

1領

 小袖とは、袖口の開きが狭い着物のことです。白くつやのある絹地に、青いジグザグの模様が斜めに入り、花のようなかたちがにぎやかに盛り込まれています。大きな花のように見えるものは、何だと思いますか? 実は、これは唐松(からまつ)なのだそうです。放射状にひろがるのが松葉、真ん中の3つの丸いものがしべでしょうか。青い部分も、ただのジグザグ模様ではなく、流れる水を表しています。自然のモチーフも模様にデザインすると、こんなふうに変化するのは面白いですね。
 松に藤の花がかかるデザインは、『源氏物語』や『枕草子』、和歌などにも見られる初夏のモチーフです。『枕草子』の中では、「めでたきもの」として「色あひふかく花房ながく咲きたる藤の花の松にかかりたる」と登場します。こうした文芸的主題や、小袖全体に華やかに配される模様は、ともに元禄期の小袖の特徴といえます。

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キーワード

小袖 / 綸子 / 模様 /

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