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普賢菩薩像

ふげんぼさつぞう

概要

普賢菩薩像

ふげんぼさつぞう

絵画 / 平安

平安時代・12世紀

絹本着色

縦159.1 横74.5

1幅

国宝

 白い象に乗り、両手を体の前で合わせた姿で描かれているのは普賢菩薩(ふげんぼさつ)。平安時代、法華経(ほけきょう)という仏教の教えをまとめた経典が篤く信仰されました。普賢菩薩はこの法華経を信じる人のもとにあらわれ、その人をまもるとされています。
 天からはらはらと舞い落ちる花の中、普賢菩薩が白い象に乗ってあらわれます。普賢菩薩の白くなめらかな肌にはほんのりと朱がさされ、進む方向にわずかに目を落としています。象は、絵画では東をあらわす画面の右から歩んで来て、来た方を振り返っています。頭上には花々でできた傘が浮かんでいます。夢幻的な一瞬を切り取った作品です。
 画面の細部をご覧ください。普賢菩薩が身につけている衣や、背後の光の環、象の鞍などには、細く糸状に切った金箔を貼りつけ、細かな文様をあらわしています。こうした技法を「截金(きりかね)」といいます。
 平安時代の多くの仏画では、からだは朱色の線で描きますが、この作品では淡い墨の線で描いています。肌の白さを損なわないための表現と考えられます。細い中にも強弱のある線で描かれている点、台座のかたちに沿って垂れる衣の写実的な表現、そして緑、赤などのはっきりとした色の組み合わせは平安時代の典型的なものではなく、当時の中国絵画からの影響がうかがえます。

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キーワード

普賢菩薩 / 羅刹 / / 法華経

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