南塚原72号墳出土象嵌装柄頭
みなみつかはら72ごうふんしゅつどぞうがんそうつかがしら
概要
南塚原72号墳出土象嵌装柄頭
みなみつかはら72ごうふんしゅつどぞうがんそうつかがしら
埼玉県
古墳後期
本品は、端面が丸くなっていることから円頭(えんとう)大刀(たち)に装着された柄頭である。断面形はほぼ楕円形を呈し、柄を固定するための懸通孔(かけどおしあな)があり、円筒形をした銅製の金具が差し込まれている。
象嵌は銀線を嵌(は)めこんだもので、柄頭の全面に二重円文と三条の細(さい)線(せん)を結んでできた六角形を亀の甲(こう)羅(ら)のようにつなげ、六角形の中に鳳凰(ほうおう)を表現する亀甲繋鳳凰文(きっこうつなぎほうおうもん)という文様を施す。六角形の中の鳳凰の形はくずれ、それぞれが異なっている。鳳凰文と六角形の間は細線を充填(じゅうてん)し、懸通孔の周囲には花弁(かべん)が表現される。差込部分には半円文を交互に配する。
全体の長さが9.8㎝、長径が4.5㎝前後、短径が3.6㎝前後である。
1点
埼玉県児玉郡神川町植竹867-2
神川町指定
指定年月日:20170127
神川町教育委員会
有形文化財(美術工芸品)
南塚原72号墳は、大字二ノ宮地内に所在し、平成2年度に農業基盤整備事業に伴って発掘調査が実施された。72号墳は7世紀中頃に造られた円墳と考えられ、本品は横穴式石室の玄室より出土した。