流釉壺 丹波
リュウユウツボ タンバ
概要
丹波の大壺の中では細長い胴の形式の壺で、紐土巻き上げで形成され、器表は念入りに調整がなされているため、荒々しさはない。特に口頸部から肩にかけての線は美しくおだやかな曲線をみせ、端正な器形をみせている。口頸部は直立させ、口縁部を外に捻り返して丸味のある玉縁状に作っているが、完全な玉縁ではなく、形式的には反口(そりくち)から玉縁口縁に移行する過渡期の形式を示している。底は平底で、素地は鉄分が多く赫褐色に焦げ、肩から胴にかけて丹波独得の濃緑色の自然釉がかかっている。室町時代も後期の作とみられ、自然釉の美しい変化に富んだ景色の豊かな作品である。