冨嶽図

絵画  日本画 / 日本 

青木夙夜 (?-1802)
あおきしゅくや
制作年不詳
絹本着色
109×36.0
軸装

 この作品は1916年に松阪市の某家から売りに出されている。このときは軸装ではなく、六曲一双の屏風の体裁をとっていた。題名は富士十二景、富士をめぐる人事、風俗、古典的な和歌の世界、風景など、十二ヵ月それぞれにふさわしい風物の取り合わせを選んで描き、まとめたものであった。買い取られてのち軸装に改められ、その後ちりぢりになっていたうちの1点が当館の所蔵となった。
 この一点は、十二ヵ月のうち八月(旧暦)の景にあたる。秋色にかがやく木々にとりかこまれた茅屋、しずかな湖、遠くきつ立する富士の景と、この景を望んで思いに沈む人物がここには描かれている。
 中国や日本のいわゆる山水画は臥遊、つまり居ながらにして胸中の理想の山水に遊ぶという発想のもとに描かれる。その意味では、この作品も一幅の山水図といってよい。しかし、不二・不尽とも書き表され、わが国においては不老長寿の民族的な理想の象徴ともされてきた富士を山水画の中に描いたことは、絵画思想の土着化の問題と関連して興味深い。(山口泰弘)

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