冨嶽三十六景《東海道江尻田子の浦略図》 ふがくさんじゅうろっけい とうかいどうえじりたごのうらりゃくず

木版画 

葛飾北斎 (1760-1849)
かつしかほくさい
日本
天保元−天保3年(1830-32)頃
木版多色刷
1

「田児の浦ゆうち出て見れば真白にぞ不二の高値に雪は零りける」(山辺赤人)『百人一首』にも詠まれた田子の浦の絶景である。遠景に見える木々の緑は三保の松原であろう。浜辺では塩田で働く人びとの姿が小さく描かれ、近景の荒波の海にはよく見ると大小4隻の船が描かれている。雄大な富士の稜線と同じ大きさの弧で最前部の船のカーブが描かれて、富士と漁師たちの奮闘が対峙しているところも面白い。この版は主板に墨摺りが施されている。初摺りの版には藍摺りが使用されていることから、この版は追加出版の10図の刊行以降に摺られたものであろう。

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