秋山好古旧蔵・指揮刀
あきやまよしふるきゅうぞう・しきとう
概要
秋山好古は、「我が国騎兵の父」と称された旧日本陸軍の軍人で、日露戦争では、世界最強といわれたコサック騎兵を相手に奮戦し、奉天会戦などで勝利に導いた。
本資料は、秋山好古旧蔵の指揮刀で、指揮刀とは、演習または儀式の指揮に用いられる細身の洋刀のことで、刃がついていないので人は斬れない。秋山好古は「敵と格闘となれば斬るより突くに限る。それには指揮刀のほうが軽くて便利で騎兵に向いている」と語り、戦地でも指揮刀を愛用した。本刀の柄には鼈甲(将官クラスが使用)が用いられ、背金には桜花と唐草模様が彫られている。また、刀身には「FAB CA DE TOLEDO 1906」と刻印があり、明治39(1906)年にスチールの産地として知られるスペインのトレドで作られたものと考えられる。