秋山真之漢詩書幅
あきやまさねゆきかんししょふく
概要
秋山真之は、日露戦争の際には連合艦隊作戦参謀として参戦した旧日本海軍の軍人である。我が国の命運を決定する日本海海戦では、「天気晴朗なれども浪高し」の名文を打電し、意表をつく敵前逐次回頭(丁字戦法)により勝利に導いた。正岡子規は、旧制松山中学校時代の同級生である。
本資料は、秋山真之の書幅で、「山雪能香落爐寒」と認められている。「山から降りてくる雪が、爐(香炉)に落ちて入り、いかにも香を薫くようであるが、それが雪であるので、なんとも余計に寒さが漂うように感じられる」という内容である。軍人ながら、正岡子規などの文化人と交遊を持ち、秋山真之自身も文化人であったことがうかがえる作品である。