世界遺産と無形文化遺産
北海道・北東北の縄文遺跡群
ほっかいどう・きたとうほくのじょうもんいせきぐん
世界遺産登録年:2021年
構成する文化遺産
主情報
- 記載物件名
- 北海道・北東北の縄文遺跡群
- 構成資産
- 大平山元遺跡、垣ノ島遺跡、北黄金貝塚、田小屋野貝塚、二ツ森貝塚、三内丸山遺跡、大船遺跡、御所野遺跡、小牧野遺跡、入江貝塚、伊勢堂岱遺跡、大湯環状列石、キウス周堤墓群、大森勝山遺跡、高砂貝塚、亀ヶ岡石器時代遺跡、是川石器時代遺跡
- 所在地(市町村)
- 青森県青森市、弘前市、八戸市、つがる市、東津軽郡外ヶ浜町、上北郡七戸町、北海道函館市、千歳市、伊達市、虻田郡洞爺湖町、秋田県鹿角市、北秋田市、岩手県一戸町
- 暫定記載年
- 平成21年(2009年)
- 推薦年月
- 令和2年(2020年)1月
- 記載年月
- 令和3年(2021年)7月
- 評価基準
- (ⅲ)(ⅴ)
- 都道府県所管課
- 縄文遺跡群世界遺産本部(事務局 三内丸山遺跡センター 世界文化遺産課)
- 自治体等HP
- https://jomon-japan.jp/(縄文遺跡群世界遺産本部HP)
- ユネスコ資産ページ
- https://whc.unesco.org/en/list/1632
- 写真提供
- JOMON ARCHIVES
解説
詳細解説
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、1万年以上にわたり採集・漁労・狩猟により定住した人々の生活と精神文化を伝える文化遺産です。北海道・青森県・岩手県・秋田県に所在する17の遺跡で構成されています。
本資産が位置する北海道・北東北は、山地、丘陵、平地、低地など、変化に富んだ地形であり、内湾や湖沼及び水量豊富な河川も形成されています。ブナやミズナラ、クリ、クルミなどで構成される冷温帯落葉広葉樹(北方ブナ帯)の森林が広がり、海洋では暖流と寒流とが交差することによって豊かな漁場が生まれ、サケやマスなどの回遊魚が遡上するなど、北東アジアの中でも恵まれた環境にありました。
人々は、この環境の下で育まれた森林資源を管理しながら利用し、食料を安定して確保するとともに、採集・漁労・狩猟を基盤として約15,000前から土器を使用して、定住を開始しました。その後、気候変動及びそれによる海水面の上昇・下降、火山噴火などの環境の変化に巧みに対応しつつ、集落を形成し、発展させ、成熟させました。本資産はその変遷過程を、物証をもって余すことなく説明することができます。
さらに、墓地、環状列石、貝塚、盛土遺構等の祭祀的な空間や構造物を構築・発展させ、母性を表現したとされる土偶に見られるような独特の精神文化を育み、成熟した定住を営みました。
このように本資産は北東アジアにおける農耕以前の人類の生活と、精緻で複雑な精神文化を示す物証として顕著な普遍的価値を持っています。