朝鮮軍陣図屏風
ちょうせんぐんじんずびょうぶ
概要
文禄元年(1592)から慶長3年(1598)にかけて行われた文禄・慶長の役のうち、慶長2年の蔚山城(うるさんじょう)攻防戦を描いた屏風。蔚山城は日本軍が築いた倭城のうち最も東部に位置するもので、日本軍の最前線基地の役割を担っていた。第一図の蔚山城籠城図は、籠城する日本軍を明・朝鮮連合軍が包囲する場面。第二図は、鍋島直茂らの援軍が到着し、明・朝鮮連合軍と対峙する場面。第二図と一双をなす第三図は戦闘場面を描く。原本は鍋島直茂が従軍した絵師に描かせたと言われるが、これが明治7年(1874)の佐賀の乱で焼失したため、他家所蔵の写を明治19年に肥後の絵師大久保雪堂に依頼して制作したのが本図である。