黒楽茶碗(時雨) 光悦作
くろらくちゃわん(しぐれ) こうえつさく
概要
黒楽茶碗(時雨) 光悦作
くろらくちゃわん(しぐれ) こうえつさく
愛知県
江戸/1601-1700
素地は鉄分の多い灰褐色陶胎、腰に丸みを有する半筒形の茶碗で、手捏ねで薄造りに成形する。腰にはゆったりと豊かな丸みを持ち、体部は胴の下半を少し膨らませ、口辺でやや引き締め、口縁はわずかに外反する。口縁端部は篦で切ってやや鈍く平らに仕上げる。体部は丁寧に篦削りを施して整形し、内面底部の見込みはほぼ平らに仕上げる。底には低いやや小さな円形の高台を削り出す。
総体に刷毛塗りにより高台まで黒釉を掛け、艶やかに良く熔けた釉調を示すが、外面体部や内面口辺の一部は極薄く、焼き締めた黒褐色の器膚が現れる。
胴の二箇所と底の一箇所に窯割れがあり一部を繕う。
高台には目跡が五箇ほど残される。
高8.8 口径12.4 高台径4.7(㎝)
1口
名古屋市東区徳川町1001
重文指定年月日:20070608
国宝指定年月日:
登録年月日:
名古屋市
国宝・重要文化財(美術品)
本阿弥光悦(1558~1637)が製作した黒楽茶碗である。体部は腰に丸みを持つ半筒形に成形し、口縁上端を平らに仕上げる。全面に黒釉が掛けられるが、一部は黒釉が薄く黒褐色のかせた素地が直接現れる。光悦黒楽茶碗の特色を最もよく示す優れた作品として著名なものである。三井家伝来。