白山神社能舞台
はくさんじんじゃのうぶたい
概要
白山神社は中尊寺鎮守のひとつで,境内の北方にある。白山神社の神事能は,中尊寺一山の僧侶が伝習して行われた。現存する白山神社能舞台は,嘉永2年(1849)の焼失後,同6年(1853)に竣工したものである。
舞台及び楽屋は東西に長い入母屋造,茅葺で,西半を舞台,東半を楽屋とする。この北面につく橋掛は両下造,鉄板葺の建物で,北東に延び,社殿側にある鏡の間に接続する。鏡の間は,西面は入母屋造,東面は寄棟造の茅葺である。
白山神社能舞台は,正統的かつ本格的な規模と形式の舞台をはじめ,橋掛,鏡の間,楽屋からなり,完備した構成の近世能舞台遺構としては東日本で唯一といえ,高い価値がある。
また,古刹中尊寺において連綿と続く芸能の場としても,貴重な遺構である。