金梨地瀧山水蒔絵料紙文庫 きんなしじたきさんすいまきえりょうしぶんこ

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漆工 

川之辺一朝 (1830(天保元)年-1910(明治43)年)
カワノベ・イッチョウ
明治35年/1902年
木 漆 蒔絵
高15.4 44.9×33.1
1合

川之辺一朝は江戸に生まれ、12歳の時に幕府御本丸御細工所に入門して蒔絵を修行し、21歳で独立しました。維新前は、徳川将軍家御宮殿の蒔絵を始め、和宮の婚礼調度や大名家の蒔絵に従事。維新後は宮内省御用品に携わり、幸阿弥(こうあみ)派(将軍家御用蒔絵師を務めた蒔絵の流派)を正しく伝えた最後の蒔絵師として明治漆工界で重きをなしました。明治29年に帝室技芸員、明治30年に東京美術学校教授に任ぜられました。
本作では瀧を配した山水図が、伝統に磨き上げられた高度な蒔絵技術(漆を接着剤として金粉等を蒔き付ける装飾法)によって格調高く豪華に表現されています。桜と松を河岸に置きながら、近景から遠景へと、高蒔絵から次第に平滑な研出蒔絵へと、金銀の色調にも微妙な変化を加えつつ、綿密に空間を構築。とうとうたる豊かな川の水流からは力強い春の訪れが感じられます。蓋を開けるとその裏側には秋の川辺の一コマが描かれています。

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