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水指(青海)〈備前/〉

みずさし(せいがい)

概要

水指(青海)〈備前/〉

みずさし(せいがい)

工芸品 / 室町 / 中部 / 愛知県

愛知県

室町

備前焼の水指で炻器質の焼締陶器である。素地は赤褐色陶胎で荒い砂粒を含み、堅く焼け締まる。底は板起しで平底とし、篦撫でを施す。胴は粘土紐を巻き上げ全体厚手に轆轤整形し、裾から口部にかけて緩やかに開く筒形に作る。胴の内には大きな轆轤目が残り、胴裾には面取り風の荒い篦削りを、胴下部には篦撫でを、それぞれ施す。
 口部は蓋を受けるやや幅広で平らな口縁とし、中央を緩やかにくぼませる。口部から胴の一部にかけて暗黄褐色の灰釉(自然釉)が薄くかかる。

高18.0 口径18.2 底径13.8(㎝)

1口

徳川美術館 愛知県名古屋市東区徳川町1017

重文指定年月日:20010622
国宝指定年月日:
登録年月日:

公益財団法人徳川黎明会

国宝・重要文化財(美術品)

本作品は、素朴な桶形を呈する水指であるが、器形は細部にわたり細やかで整った作行をなし、端正で完成された形姿を示し、整った口造りなどに認められるように明確に水指として製作された作品である。本水指は、一五世紀代の水指に見立てられる日常容器と、一六世紀後半代から始まる大胆な篦彫りによる加飾が施される水指との間に位置づけられ、水指創出期としての素直な形姿を示すとともに重厚荘重な作行をなす。室町時代に遡る作行優れた水指の最古遺例の一つであるとともに、和物茶陶の出発点をなす作品でもあり、茶道文化史上極めて価値が高い。武野紹鴎(一五〇二-五五)所持と伝える名物で、尾張徳川家に伝来した。

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