冨嶽三十六景《東都浅艸本願寺》 ふがくさんじゅうろっけい とうとあさくさほんがんじ

木版画 

葛飾北斎 (1760-1849)
かつしかほくさい
日本
天保元−天保3年(1830-32)頃
木版多色刷
1

現在の東京浅草本願寺のこと。もともと神田明神下にあったが、1657年(明暦3年)の江戸の大火の後、浅草へ移転した。大屋根をもつこの壮大な建築は、江戸庶民を驚愕させたという。北斎も大屋根で作業する瓦職人たちを実際よりも幾分小さく描き、屋根の大きさをやや誇張し、そんな江戸の庶民の驚きをこの図に込めたのであろう。奴凧の描写に澄み切った青空の上空に早い風が吹いていることを感じさせる。北斎はこの図をどこから見て描いているのだろうか。やはり北斎の並はずれた創造力が描き出した一枚である。この版では、藍摺りで摺られた初摺りのイメージを残しつつも、宙に舞う奴凧に朱色が施されている。

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