鼎
てい
概要
春秋期中ごろ以降の鼎(てい)は、多くに蓋がつき、またL字形に曲がった両耳(把手)が口縁の横につくという新しい特徴を持つ。蓋には小さな突起がついていて、逆さに置くと三足つきの浅い皿となるように作られている。本例は戦国~漢代の作品で、蓋上には三体の獣形がついており、蓋上と器身には簡略化した雲雷文(うんらいもん)が飾られている。こうした鼎の両耳や足には非常に精巧な別鋳法(べっちゅうほう)が用いられている。
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.40, no.134.