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妙法蓮華経玄賛巻第六

みょうほうれんげきょうげんさんまきのだいろく

概要

妙法蓮華経玄賛巻第六

みょうほうれんげきょうげんさんまきのだいろく

/ 平安 / 関東 / 東京都

東京都

平安時代

巻子装、本紙寸法27.6㎝×1978.3㎝

1巻

東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:
国宝指定年月日:
登録年月日:20140616

登録美術品

 妙法蓮華経玄賛は唐の慈恩大師基(632~682)の撰で、妙法蓮華経を法相宗の立場から注釈したものである。巻第六は譬喩品の終わり三分の一と信解品の初め半分とを収める。
 本作品は平安時代初期に書写された古写本で、謹厳な楷書で書写されている。全文にわたり、訓読するための白点3種、朱点1種の訓点が施され、黄書により文字の訂正がある。白点のうちの1種は石山内供 淳祐(890~953)によるものと推定されており、3種とも訓点が施された時期は平安時代中期、天暦年間(947~957)頃とされる。淳祐加点と推定される白点は、全文にわたり極めて稠密に施され、現在でも鮮明である。朱点の加点時期は白点より多少下り、11世紀頃とみられる。また、本作品は元の姿をよく残し、貴重である。
 本作品は石山寺旧蔵であるが、全10巻本のうち巻第三と当該巻第六が現存している。巻第三は重要文化財「石山寺一切経」(石山寺所蔵)に含まれている。
 なお、本作品一紙目の紙背には「元興/寺□(※一字欠)」朱複廓円印が1顆あり、石山寺に蔵せられる以前、元興寺の所蔵であったことが判明する。
 本作品は、伝来が明確であり、また平安時代中期の代表的な訓点資料として、これまでに多くの研究が公表されているものである。精細な加点資料の少ない平安時代中期の訓点資料として、国語学の研究上に高い学術的価値を有する。

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