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説一切有部倶舎論巻第二

せついっさいうぶくしゃろんまきのだいに

作品概要

説一切有部倶舎論巻第二

せついっさいうぶくしゃろんまきのだいに

/ 平安 / 関東

東京都

平安時代

巻子装、本紙寸法26.0㎝×1035.8㎝、
加点奥書(朱筆)「加承元年九月十三日申時點了執筆相寛」

1巻

東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:
国宝指定年月日:
登録年月日:20140616

登録美術品

 倶舎論は、世親が著したもので、唐代の玄奘(602-664)訳になり、阿毘達磨倶舎論ともいう。小乗仏教で最も有力であった「説一切有部」学派の思想を基にし、仏教思想を整然と組織立てて叙述した教学書で、全30巻からなる。巻第二は、界品(かいほん)にあたり、存在の分析、体系、本質の解明を行っている。
 本作品は平安時代の書写になる古写本である。冒頭の1紙分が欠失しており、首題を欠くが、尾題を「説一切有部倶舎論巻第二」と記し、後筆の外題「説一切有部倶舎論 第二」がある。この外題は、江戸時代に高山寺の聖教類の保存に努力した僧、慧友僧護(1775~1853)の筆跡と推定されることから、江戸時代後期には既に第1紙を失っていたとみられる。
 体裁は巻子装で、表紙・見返し・軸付紙が新たに補われ、裏打が施されている。見返しと巻末には朱長方印「月瀬文庫」各1顆があり、旧蔵者を示す。また、吉澤義則氏の「點本書目」(昭和6年)に本作品が高山寺所蔵の作品として収載されており、もとは高山寺所蔵であったことが判明する。
 本作品には、全文にわたり訓読するための朱点が施されている。巻末には「加承元年九月十三日申時點了執筆相寛」の加点奥書があり、嘉承元年(1106年)に訓点が施されたことが判明する。「相寛」の詳細は不明ながら、点法は比叡山延暦寺所用の宝幢院点であり、天台宗の僧によって施されたものである。
 倶舎論の古写本は南都系のものが多いが、平安時代の天台宗系の訓点資料として、国語学の研究上に貴重である。

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