瑞龍寺国宝古材「香合」
ずいりゅうじこくほうこざい「こうごう」
概要
香合とは、香を入れるための蓋付きの器である(注1)。
資料は木製で、上から見ると円形をしており、資料底に窪みがある。
瑞龍寺は、昭和10年(1935)11月16日から昭和13年(1938)4月15日にかけて、当時「国宝」に指定されていた「総門」、「仏殿」及び「法堂」の大修理が行われた(注2)とあるので、その際に出た古材を利用して作られた可能性がある。
付属品の共箱には、蓋表に「瑞龍寺/国寳古材/香合」と墨書されている。箱内のメモには、「昭和十七年参月廿弐日/林宇三次郎氏(注3)ヨリ/恵贈品也」とペン書きされ、左下に「高岡市源平町四一/神初八右衞門(朱文円印「神初」)」と印刷されている。この香合を入手した際のメモだとすると、本資料は昭和10~17年頃のものと思われる。
また、資料を包んでいたウコン布に黒文方印「瑞竜/寺材」が捺されており、これは共布とわかる。
未使用と思われ、資料状態は、極めて良好。
〔注〕
1. HP『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
2.『高岡山 瑞龍寺』高岡市教育委員会文化財課、1996年
3.この人物かどうかは断言できないが、高岡市神主町の醤油・味噌製造業「林家商店」 の6代目「宇三次郎が瑞龍寺周辺の民家を中心に配達業を行う」とある。HP「醸造 紀乃井」