ファン・ロイエン筆花鳥図摸写 ふぁんろいえんかちょうずもしゃ        

日本画 / 江戸 

谷文晁筆 (1763-1841)
たにぶんちょう
江戸時代/19世紀前期
紙本著色
231.8×96.5
1幅
サイン「W.Van Royen 1725」朱文方印「文晁画印」 朱文長方印「写山樓画本」

来歴:舟津輪助氏→東京塩原又策→池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館特別展『日本絵画のひみつ』図録 2011
・勝盛典子「大浪から国芳へ―美術にみる蘭書需要のかたち」(『神戸市立博物館研究紀要』第16号) 2000

巨大な花瓶に多種多様な花が盛られ、下部には果物や、それをついばむ鳥がいます。よく見ると蟻がついている花もあり、この豪華な花束が、やがて朽ち果てる運命にあることを暗示しています。「ヴァニタス」を主題とする、西洋では典型的な花卉禽獣画の表現です。
8代将軍吉宗がオランダ商館長に紅毛絵(こうもうえ)の輸入を求め、享保7年(1722)に発注され、享保11年(1726)に長崎に5点の西洋画が舶載されました。そのうち「孔雀、インコ、駝鳥、アオサギの図」「あらゆる種類のオランダの花の図」の2点の油彩花鳥画が江戸本所の五百羅漢寺に下賜され本堂にかけられてました。寛政8年(1796)に石川大浪・孟高兄弟が後者を模写し、さらにこれを谷文晁が模写したのが本図となります。文晁は大浪と親交があり、大浪を西洋画法の師と仰いでいました。双方とも、西洋絵画の陰影や立体表現を、日本の伝統的な技法と素材で再現した画期的な模写作品です。当時、文晁は松平定信の命により社寺所蔵の古書画類の調査・模写を行っており、本図の存在はこうした調査の延長線上にあるのでしょう。

なお、花瓶の下方には「W. Van Royen 1725」のサインがあり、原画作者としてアムステルダムの画家・ヘンドリック・ウィレム・ファン・ロイエンだった可能性が指摘されています。

【江戸の絵画】

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