ヒポクラテス像
ひぽくらてすぞう
概要
ヒポクラテス像
ひぽくらてすぞう
石川大浪筆、シーボルト題 (1762-1818)
いしかわたいろう
江戸時代/19世紀初期
絹本墨画
79.9×31.4cm
1幅
落款:「因泰西畫法/大浪写」印章:「SK」(朱文円印)題:シーボルト「Afbeeldmg/van den/vermaarden Geneesheer/Hippokrates./Dezima den15=Sioguats/Anno1825/Dr. von Shiebold.」(於長崎出島、1825年)裏面に谷文晁(文政元)、石田潜(明治12)の題記貼付
来歴:池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館
参考文献:
・勝盛典子「大浪から国芳へ―美術にみる蘭書需要のかたち」(『神戸市立博物館研究紀要』第16号) 2000
・陰里鉄郎「石川大浪筆ヒポクラテス像をめぐって 江戸洋風画とヨーロッパ版画」(『ミュージアム』268 1973)
石川大浪は、大槻玄沢の依頼を受けて『史的年代記』から初めてヒポクラテス像を模写しました。正しい図像を描くために選ばれた大浪は、蘭学者にとって特別の画家でした。本図は、フランソワ・ブーシェの原画をジル・ドゥマルトーが銅版画にした「男の頭像」を原本とする作品。当初よりヒポクラテス像として描かれたかどうかは不明ですが、オランダ語の題記から「ヒポクラテス像」とされています。裏には谷文晁による識語「大御番石川七左衛門号大浪善画墨然又工/写泰西画法友弟谷文晁記時文政戊寅/七月廿日」が貼られ、大浪が文晁に西洋画法を教授した際の記念の作品と思われます。
【江戸の絵画】