唐蘭館図巻
とうらんかんずかん
概要
高川文筌(?-1858頃)は谷文晁の門人で、信州松代藩の真田家に仕えた画人です。巻末の款記によると、本図は天保14年(1843)に長崎の役所において描いたものとわかります。「清舶入津卸荷之図」「清人館内戯場之図」「同 坐飲之図」「瓊浦輿地図」の4図は、石崎融思の『長崎古今集覧名勝図絵稿本』(天保12年序 長崎歴史文化博物館蔵)を模写した可能性が高いと考えられます。「阿蘭陀船出帆之図」「出島館内カピタン部屋之図」「同突玉之図」といったオランダを題材とする図についても、何か典拠があるのかもしれません。
【長崎ゆかりの近世絵画】