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打掛 白繻子地松竹梅洲浜台宝尽模様

うちかけ しろしゅすじしょうちくばいすはまだいたからづくしもよう

概要

打掛 白繻子地松竹梅洲浜台宝尽模様

うちかけ しろしゅすじしょうちくばいすはまだいたからづくしもよう

染織 / 江戸

江戸時代・19世紀

1領

打掛(うちかけ)は、今も結婚式で花嫁が着る格式の高い着物です。繻子(しゅす)というつやのある白い絹地に、金や絹の糸を使った刺繍(ししゅう)でもようを表わした、豪華な打掛です。武家女性の婚礼衣装だったと思われます。
模様を見てみましょう。足元には金と紅色(べにいろ)で波があらわされています。その上に、曲線の雲のような形をしているのが州浜台(すはまだい)。州浜、つまり曲線を描いて入り組んだ浜辺の形をした脚つきの台に、婚礼やお祝いの飾りものをのせて使います。台を支える3本のカーブした脚が見えます。州浜台の上に小さな岩山のように見えるのは、おそらく中国の伝説上の蓬莱山(ほうらいさん)をかたどったものでしょう。そこから、ほっそりとした竹が2本、まっすぐ上に生えています。2本あるのは、夫婦を象徴しているのかもしれません。竹に加えて、曲線を描いた松も枝をのばしています。松の枝をたどっていくと、いつしか梅も花を咲かせています。下の方に見える橘の枝からも、梅が咲いていたりと、模様の上でしかあり得ない光景ですが、一本の樹から、日本でおめでたいと考えられている松竹梅に橘が咲きほこるさまは、福々しさに満ちています。州浜台には宝珠、巾着、隠れ蓑、隠れ笠、分銅など、宝尽くしの模様があらわされ、吉祥模様にあふれた華やかな晴着です。

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