閻浮提図附日宮図
えんぶだいずつけたりにっきゅうず
概要
江戸時代、ヨーロッパから新たな知識がもたらされるにしたがって、それまで浄土宗の学僧であった存統によって仏教系の世界観を示す世界図三部作が作られました。本図はその一つで、上部に日宮を、中央に世界図を、下部に自然現象についての説明を載せています。世界図には新阿蘭陀(オーストラリア)やタスマニアが描かれており、当時としては最新の世界地理情報が取り入れられていることがわかります。
「文化五年戌辰歳」と記載していますが、世界図はその多くを高橋景保の「新訂万国全図」の西半球図に依拠していることが指摘されており、刊行年について疑う必要があるでしょう。
【古地図】