天竺之図 てんじくのず

不明
寛延2年(1749)(写)
手書手彩
160.0×133.2
1幅

須弥山(しゅみせん)の南方海上に浮かぶとされる大陸(南贍部州 なんせんぶじゅう)を中天竺、北天竺、東天竺、南天竺、西天竺の五つの地域に分けて描き、その上に玄奘が辿った旅の道筋が朱線で示されています。こうした天竺図は、天竺(インド)で生まれた仏教が震旦(中国)を通して本朝(日本)にもたらされたという地理的・歴史的な関係が表されていると考えられており、この三国によって世界が形成されているという見方を「三国世界観」といいます。このような世界図は当館のほか奈良の法隆寺や国立歴史民俗博物館などに所蔵されています。
墨書によれば、京都の東寺宝殿にあった片岡法目幽竹の図(これは京都東山の正林寺に所蔵されていたものを幽竹が延享元年に写したもの)を寛延2年に転写したものであるといいます。しかしながら、図の内容が法隆寺に所蔵されている「五天竺之図」の一つにそっくりなこと、法隆寺東院が江戸時代には「東寺」と呼ばれていた可能性が指摘されることから、法隆寺所蔵「五天竺図」の写本であろうと推測されています。


【名品2019】【古地図】

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