釈迦三尊像
しゃかさんぞんぞう
概要
中央で蓮の花の上に座っているのが釈迦如来です。向かって左側に白い象に乗った普賢菩薩(ふげんぼさつ)、右側に獅子に乗った文殊菩薩(もんじゅぼさつ)が描かれています。慈悲を司る普賢と智を司る文殊は釈迦を助けるものとして両脇におかれています。
衣装に見える赤、青、緑、茶、蓮の花びらや普賢菩薩の肌に見られる白といった色の鮮やかさが目を引きます。
姿に注目をしてみると、釈迦は左手に鉢をのせ、右手はその上をおおい、親指と中指を曲げて何かをつまんでいるように見えます。このような仕草をする釈迦像は、絵画・彫刻ともにあまりのこっている例がありません。普賢や文殊は座っていますが、どこか寛いでいるように見えます。
また三尊の頭のうしろにある丸い輪は、仏の体から出ている光を表したものですが、絵の裏側からも色を加えたり、濃淡をつけることで、奥行きのある空間を演出しています。
中国の宋から元時代の仏画の表現や色使いを下敷きにした、大陸風、中国風への関心が強く窺える貴重な作品といえます。
優美な世界観をご堪能ください。