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十一面観音菩薩立像

じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう

概要

十一面観音菩薩立像

じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう

金工 / 飛鳥 / 和歌山県

出土地:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山出土

飛鳥時代・7世紀

銅造、鍍金

総高39.2 像高30.9 髪際高27.5

1軀

 十一面観音は、たくさんの顔であらゆる方向を見守り、人々を救いに導いてくれるとされる菩薩です。
 まずは、十一面観音を正面から見てみましょう。顔は幼い子どものよう。からだは直立していますが、少しだけ左足を曲げ、わずかに動きを感じさせます。横から見ると、胸を引いておなかを出し、そっくり返るような姿勢です。これらは飛鳥時代の後期、いわゆる白鳳文化期の仏像の特徴です。最後に後ろから見てみましょう。たくさんの顔が頭の上からにょきにょきはえているような様子が印象的です。5つの顔がうしろを向いているのに驚いた方もおられるのではないでしょうか。じつは、多くの十一面観音は、頭のてっぺんに1面、正面と左右に各3面、後ろに1面がぐるりと配されていることが多いのです。また、通常は頭上に11面、本体の顔と合せて12面なのですが、この像は頭上に10面、本体の顔とあわせて11面になっています。こうしたかたちは古い時代の様式とされ、この作品は日本に数ある十一面観音菩薩像のなかでももっとも古い例のひとつと考えられています。

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キーワード

観音 / / 菩薩 / 飛鳥

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