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坂本龍馬関係書状 慶応三年四月初旬 坂本乙女あて

サカモトリョウマカンケイショジョウ ケイオウサンネンシガツショジュン サカモトオトメアテ

概要

坂本龍馬関係書状 慶応三年四月初旬 坂本乙女あて

サカモトリョウマカンケイショジョウ ケイオウサンネンシガツショジュン サカモトオトメアテ

歴史資料/書跡・典籍/古文書

1通

重要文化財

姉乙女からの手紙に対する返事。「人間というものは世の中の牡蠣がらの中に住んでおるものであるわい、おかし」などと記し、小松帯刀、後藤象次郎などにも触れている。龍馬の哲学的思考がよくわかる手紙。 (追記)哲学的な手紙。姉の乙女に宛てた手紙は姉弟ならではの表現で綴られ読解が難しい。この手紙がその代表。姉から届いた手紙を読んで「姉さんのお話の面白さに腹をつかんで笑いました」と始まる。残念ながら乙女の書いた手紙は現存しないが、姉からは頻繁に届いていたようだ。手紙の中盤では龍馬自身の現状を岩礁にうちあげられた海亀にたとえて「ふと四方を見渡して思うに、世の中とはカキガラばかりである。人間というものはカキガラの中に住んでいるものであるわい。可笑しい。目出度い」などと不思議なことを書いている。自己と環境を客観視している。なにか制度や他者に対し不愉快に思うところがあったのであろう。後半には(船の代金の)「七千八百両が無くて「ヒイヒイ」と困っていたら薩州の小松帯刀という人が出してくれました。神も仏もあるものです」と書いている。また土佐藩参政の後藤象二郎からは一万五百両の援助があったことを記し、「この人は同志の中でも面白い人です」とも記している。この薩摩藩家老の小松と土佐藩参政の後藤はやがて龍馬の仲介で薩土盟約を結ぶことになる。(2016年 坂本龍馬展図録 宮川)

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