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竹茶杓

たけちゃしゃく

概要

竹茶杓

たけちゃしゃく

陶磁 / 安土・桃山

蒲生氏郷作

安土桃山時代・16世紀

竹製

長17.8

1本

 茶の湯で、抹茶をすくうさじのことを茶杓(ちゃしゃく)といいます。金属や象の牙で作ったものもありますが、多くは竹で作られています。今回ご紹介する作品は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将、蒲生氏郷(がもううじさと)が自ら削り上げたものです。氏郷は茶人・千利休の教えを受け、茶の湯にも精通していました。この茶杓は、のちに昭和を代表する茶人、松永安左エ門(やすざえもん)のコレクションとなり、東京国立博物館に寄贈されました。
 茶杓を見るときのポイントをご紹介します。まず、節に注目しましょう。節がどの位置にくるかで全体の印象が変わります。節がないものや茶杓の下のほうにあるものもありますが、この作品では茶杓の中央に節がきています。次は、表情です。表情とは皮目の模様などのことで、まだら模様があったり、「虫食い」と呼ばれる穴があいていたり、あえて変化に富んだ竹が好まれる場合もあります。この作品は節から下に凹凸がり、表情が豊かです。そして、茶杓の先端です。抹茶をすくうために曲がっている部分を櫂先(かいさき)といいますが、ここは作り手の特徴がよく表れる部分です。氏郷の茶杓は櫂先の幅が広く、さらに横から見ると急な角度で折れ曲がっています。とても豪快な印象です。武将・氏郷の気質が感じられます。
 茶杓を納める筒の下のほうには、サインがあります。これが、氏郷の作であるという証です。
 武将であり、茶人でもあった氏郷の手による茶杓を、ぜひご堪能ください。

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キーワード

茶杓 / ちゃしゃく / / scoop

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