色絵草花文ケンディ
いろえそうかもんけんでぃ
概要
ケンディは有田が輸出時代を迎えた頃に生産された水注で、kundicaというサンスクリット語で水差しを表す用語に由来し、元々はインドで用いられていたものが、マレーシアやインドネシア地方に伝わり、定着したと言われる。主に東南アジアで需要のあった製品である。持ち手がないのが特徴で、上部の口から液体を入れて、側面の注口から口に注いで使用するという。本作品は、初期の色絵に比べて、黄・緑・青を中心とする鮮やかな色調の上絵具が用いており、1670-90年代に作られた柿右衛門様式の前段階の色絵磁器にあたる。伊万里焼が東南アジアでも需要のあったことを示す貴重な作例である。