源氏物語図扇面 げんじものがたりずせんめん

絵画 / 室町 

伝土佐光元筆
室町時代・16世紀
紙本着色
1本

 平安時代の長編の物語、源氏物語は、のちの時代まで、美術作品の題材によく取り上げられます。この扇に描かれているのも源氏物語の一場面で、第十帖の「賢木(さかき)」というお話です。主人公、光源氏の恋人であった六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)が、伊勢神宮に仕えることになった娘に付き従うため、身を清める施設に入ります。そこへ源氏が訪れる場面です。中央の、榊(さかき)を手に建物に向かっているのが源氏です。山の上には月が浮かび、夜の場面であることがわかります。
 作品の形態に注目してください。扇の形をした画面に絵が描かれることは珍しくありませんが、実際の扇に仕立てられた形のまま伝わる例はあまりありません。この扇は、贈答用に作られたと考えられます。源氏物語はたいへん有名な物語なので、絵を見ただけでどの場面をモチーフにしているのか、教養のある人には分かりました。この扇を持つことで、自らの教養のアピールにつなげたのでしょう。
 描いたのは室町時代後期の絵師、土佐光元(みつもと)と言われています。光元は、室町時代を代表する絵師の集団、土佐家の一人です。宮廷につかえる絵師のトップである絵所預(えどころあずかり)を継いで、土佐家を担っていくはずであった光元ですが、豊臣秀吉に付き従って戦地に赴き、若くして命を落としてしまいます。そのため、光元が描いたと分かっている絵はほとんどなく、これは光元作の可能性が高いものとして重要な作品です。

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