友禅染裂本帳
ユウゼンゾメキレホンチョウ
概要
友禅染のさまざまな技法を用いて染めあげた小裂をまとめ、アルバムのように貼り込んだ見本帳で、二冊から成る。明治時 代になると、化学染料を友禅染に応用する技術が発達した。明治八年(一八七五)には、京都の舎密局(せいみきょく:舎密と は理化学の意味)が化学染料による染色実技を教える染殿を開いて講習を始め、その技術は急速に発達した。糸目糊と色挿 しによる従来の技法をふまえながらも、化学染料を用いての色挿しやぼかし、あるいは化学染料を米糊に混入した色糊による 写友禅など、さまざまな表現法が完成した。