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竹菱葵紋散蒔絵櫛台

たけびしあおいもんちらしまきえくしだい

作品概要

竹菱葵紋散蒔絵櫛台

たけびしあおいもんちらしまきえくしだい

漆工 / 江戸

江戸時代・文化13年(1816)

1基

 江戸時代、1816年に作られた櫛台(くしだい)です。櫛台とは、女性が髪を結う時に使う小さなタンスのこと。上部の蓋を取り外せば、櫛や化粧道具を並べる台として使えるしくみです。引き出しの中には何が入っていたのでしょう。蓋につまみのついた楕円形の器は、鬢水入(びんみずいれ)。鬢水とは、髪のほつれを整えたり、つやを出したりするために櫛につける水のことです。少し背の高い油桶(あぶらおけ)は、髪の毛を整える油を入れる器です。江戸時代の整髪料というわけですね。髪を結ったら、象牙でできた毛筋立(けすじたて)で、髪の毛筋を正します。ほかにも、眉毛を整えるブラシや、眉を描く筆、肌の色を白く見せるためにはたく白粉(おしろい)を入れる箱、今の歯ブラシにあたる総楊枝(ふさようじ)入れまでセットになっています。これを使う女性は、ずいぶんおしゃれに気をつかっていたようですね。
 この櫛台と付属品は、紀州徳川家十代・治宝(はるとみ)の娘、豊姫(とよひめ)(鶴樹院・かくじゅいん 1800年~1845年)の嫁入り道具の一部として伝わっています。徳川家の家紋である葵(あおい)の紋と、竹を菱形に組んだデザインが蒔絵(まきえ)で施されています。蒔絵とは、漆で模様を描いたあと、乾かないうちに金粉を蒔きつける技法です。模様以外の地の部分は、ひとつぶひとつぶが複雑な形をした金粉を蒔いた後に全体に漆を塗りかぶせ、表面を研いで梨の皮のような見た目の肌を作り出しています。この梨地(なしじ)と呼ばれる表現は、外側だけでなく、底や引き出しの内側にいたるまで、普段は見えない部分すべてに施されていて、とても手がこんでいます。この豪華なセットがどのように使われていたのか、想像してみるのも楽しいかもしれません。

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キーワード

蒔絵 / / / 西条

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