茶納戸段毘沙門亀甲繋獅子丸模様厚板
ちゃなんどだんびしゃもんきっこうつなぎししまるもようあついた
概要
白地に茶色と納戸色に染め分けた経糸で毘沙門亀甲が段に織表された地に、金糸や色緯で火焔丸の内に唐獅子と雲文が上文として織表される。
毘沙門亀甲繋文は、亀甲3つを盛った形状を1つとし、それを連続させた模様で、毘沙門天が着用している鎖鎧の鎖に似ていることに由来する。獅子はアフリカ・西アジアの獅子文が中国に伝わり、殷・周時代の饕餮文と相まって、邪気を祓う聖獣へと展開した。日本へは唐時代の中国から伝わり、唐風の架空の動物として唐獅子の名で親しまれる。唐獅子は頭、首、足、尾の毛が火焔状に渦を巻き、胴体にも渦毛が描かれる。この厚板では、口は阿吽の相をなし、開いた口の獅子と閉じた口の獅子が1段ずつ交互に表される。地文、上文ともに力強い模様、色調の豪壮な厚板である。
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国立能楽堂 資料展示室