肩衝茶入 銘松屋
かたつきちゃいれ まつや
概要
肩衝茶入としては、やや背が低いが、それがかえって堂々とした風格のある姿にしている。黒褐色の地釉に茶釉が流れ景色となっている。この茶入はもと松本珠報(しゅほう)が所持していたので、松本とも称されている。のちに奈良の松屋の所持するところとなり、松屋肩衝と称され、徐煕(じょき)筆の白鷺図、存星(ぞんせい)の長盆とともに松屋三名物のひとつとして伝わった。松屋から複数の大坂商人の手を経て、島津家に渡り、昭和3年の島津家入札において根津嘉一郎が落札したものである。仕覆(しふく)4点、羽田盆が添っている。
所蔵館のウェブサイトで見る
公益財団法人 根津美術館